LINE WORKSが介護現場の情報連携革新に本気で挑んでいる。【Joint編集部】
今年2月、ビジネスチャットツールで有名なLINE WORKSが従来のインカムの上位互換とも言える新アプリ「LINE WORKSラジャー」を発表した。
インカムとして声どうしのコミュニケーションができるのはもちろんだが、その裏でLINE WORKS独自の高性能AIが仕事をきっちりとこなす。声を文字に、文字を声に自動で変換し、介護現場のコミュニケーションをより確実に、効率的に行えるよう下支えする。
「ラジャー=了解」という名称には、「相手にちゃんと伝わる」という意味を込めたという。
インカムは処遇改善加算の要件にも含まれており、介護現場でいま最も注目度の高い機器の1つだ。その仕上がりはいかほどか。介護現場でどのように活かせるのか。

株式会社「あおいけあ」の代表で介護業界のキーパーソンの加藤忠相氏と、「あおいけあ」の介護現場を日夜支えている井上喜也氏から、「LINE WORKSラジャー」の事業責任者を担う小田切悠将氏に対し、気になる点を聞いてもらった。
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◆ 開発の原点は現場の声
加藤|「LINE WORKSラジャー」の開発のきっかけを教えてください。

小田切|LINE WORKSは、介護業界をはじめとした現場で働く方に広く使っていただいています。そんな皆さんの業務をLINE WORKS独自のAI技術で、さらに働きやすいものにできないかという考えがきっかけです。
実際にお客様にインタビューをすると、現場での音声コミュニケーションに課題がある、という声を多くいただきました。特に現場で利用するインカムは、電波の問題で途切れてしまったり、混線して聞き取りにくかったりすることが、“インカムあるある”としてよく語られていました。
その中で驚いたのが、インカムでの会話の5%から10%、場合によっては20%が相手へ十分に届いていないというお客様のエピソードでした。それが半ば当たり前になっていて、そういうものだと受け入れられていることに衝撃を受けたんです。
だからこそ、LINE WORKSのテクノロジーでそれを変えたいと思いました。相手にしっかり伝わる。最小限の負担でコミュニケーションが100%成立する環境を作る。それが「LINE WORKSラジャー」の原点です。
加藤|ITツールが苦手な人も多い介護現場でもすぐに使えるのでしょうか。
小田切|おそらくすぐに使っていただけると思います。「LINE WORKS」は現在、ビジネスチャットの領域でシェア1位となっていますが、それは主にデスクワークを想定したツールと違う立ち位置を取ってきたからです。「LINE WORKSラジャー」の開発も同じように現場で働く方に直感的に使っていただきやすいように、とことん考え抜きました。UIをなるべくシンプルに、余計な機能を削ぎ落として、徹底的な現場目線で誰でもすぐに使っていただけるよう設計しました。
このような導入時の手間、教育コストがほとんどかからない点も、重要なポイントだと思っています。
◆「コミュニケーションの余白を埋める」

加藤|うちにもかなり高齢の職員がいますが、LINEならほぼ使えるんです。慣れているのは大きいですよね。
小田切|そうなんです。ただ、チャットツールは現場の最前線の方々にとって少し使いにくい場面があることも、我々は認めなければいけません。常にスマホを操作できるわけではなく、業務中に文字を入力するのが難しいシーンも少なくないですよね。
だからこそ、インカムの機能に注目しました。音声でコミュニケーションの余白を埋め、それを「LINE WORKS」と最適にかけ合わせることにより、情報連携の精度を格段に高められます。

もちろん、単に従来のインカムの代替として使っていただくことも可能です。ただ、我々が本当に目指しているのは、すべての職員がいつでもコミュニケーションの輪に入れる環境を作ることです。
これまでインカムを持っていなかった人も例外ではありません。事務所で作業をしていても、「LINE WORKS」からインカムの会話に加わることができるようになります。いる場所や時間に関係なく、これまで分断されていた声と文字のコミュニケーションがつながり、相手に言葉を伝えることができる。それが「LINE WORKSラジャー」の目指す姿です。
◆ 音声⇔文字を自在に変換

井上|どのような機能を備えているのでしょうか?
小田切|まず大きな特徴として、「LINE WORKSラジャー」には音声と文字の両方のインターフェースが備わっており、大きく表示された発話ボタンを押せば、音声の送信をそのまま始められます。
やり取りされている音声は自動でテキスト化され、双方のトーク画面に瞬時に表示されます。別売のイヤホンマイクなどを使えば、スマホをポケットに入れたまま音声を簡単に送ることができます。
反対に、トーク画面側で入力したテキストは、AIによって自然な音声に変換されて届けられます。これで業務中でも円滑にコミュニケーションがとれ、それを後で確認することもできます。

井上|音声と文字、それぞれのやり取りが自然に行き来できるようになっているんですね。
小田切|おっしゃる通りです。例えば、ポケットにスマホを入れてインカムをつけている最前線の職員には、事務所側のチャットのテキストメッセージが音声で耳に届きます。逆に、その職員が話した内容は自動で文字起こしされ、事務所側のトーク画面に表示されます。この双方向の音声変換⇔文字変換が、ほぼラグのないリアルタイムで行われることがポイントなんです。

チャットとしての読みやすさも意識しました。
「LINE WORKSラジャー」のAIは単に文字を起こすだけでなく、句読点を自動で付与し、発話の中に含まれる「あー」「えー」といった言い淀みも自動で除去します。その結果、チャットで読んでも違和感のない文章になります。
つまり、現場でボタンを押して話す人も、事務所でキーボードを叩く人も、お互いがいつも通りの方法でやり取りでき、裏側ではAIがしっかり補完してくれている、ということです。
◆「記録の共有にも役立つ」

加藤|AIの音声変換・文字変換の精度が高く、いよいよここまで来たんだなと思いました。
記録が自動で残る点もありがたいですね。日々の申し送りに役立ちますし、急な変更や対応が必要な時もその場で情報を共有できます。災害時なども大いに役立つでしょう。
こうした“即時性”と“記録性”が両立していることが、介護現場にとって大きな価値だと思います。「これを使えば色々できそうだな…」と考えが湧いてくるというか、様々な可能性を感じさせてくれるツールですね。
井上|ご利用者様の変化・気付きなど大切な情報を、その都度記録・共有していくのにも便利そうです。
小田切|はい。実際に「業務録のような使い方が便利だ」といった声を多くいただいています。独り言のように、今日どんなことをしたか、何があったかをその場で話しておくだけでも、あとで振り返って記録・報告をまとめる際に役立ちます。
最前線の職員と事務職員の役割分担もしやすくなります。バックオフィスとの連携を強化し、介護職は介護職にしかできない本来の専門的な仕事に専念してもらう、という業務効率化の実現も後押しするツールです。
◆ 多拠点連携でも真価

加藤|異なる複数の事業所・施設・職場・フロアの情報連携にも役立ちそうですね。
小田切|はい。1対1でも1対Nでも、相手のいる場所にかかわらずコミュニケーションを取ることができます。
例えば、「応援お願いします」「誰か来てください」といった緊急連絡を一斉に発信したい場合。「LINE WORKSラジャー」を使えば、距離やフロアに関係なくすべての関係者に同時に伝えることができます。建物内はもちろん、訪問介護にあたっているヘルパーにも情報を届けられます。
スマートフォンとネットワークさえあれば、通信可能な範囲に制限はありません。インカムのように、電波の届く範囲が問題になることもありません。
情報伝達の範囲が広くスピードも早い。これで全体がより合理的に動けるようになり、対応の質が向上する。こうしたことに「LINE WORKSラジャー」は大きく貢献すると思っています。

加藤|まさに、複数の現場をシームレスにつなげるシステムですよね。これをうまく使えば、色々なことを前向きに変えていけるんじゃないかなと思います。
日々の情報や記録を集約し、そこからきめ細かいケアの実践につなげることが何より重要です。そうした道を更に追求したいですし、事業者同士の連携・協働、地域ぐるみの体制の構築、バックオフィスの共同化などにも役立てられるでしょう。介護施設でも地域でも、幅広い可能性を持ったツールだと思いました。
「LINE WORKSラジャー」は30日間の無料トライアルができるそうだ。実際に触ってもらえれば、そのクリアな音声と文字起こしの精度に驚いてもらえるだろう。実際の業務に活かせるかどうか試してみてほしい。
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