今後、人材不足は厳しさを増す一方だ。業務を効率化しなければ早晩立ち行かなくなる。こうした意識はここ数年で介護現場にもかなり浸透した。【Joint編集部】
新年度の介護報酬改定で国が発したメッセージも明確だ。全ての事業所・施設はいま、生産性向上と正面から向き合うことを切実に求められている。
多くのサービスに対し、テクノロジーの導入や適切な運用などを話し合う委員会の設置が義務付けられた(*)ことは、その代表例の1つと言える。もちろん、うまく対応して成果をあげていくことは簡単ではないが、答えを模索し続ける努力は事業存続の最低条件となるだろう。
* 経過措置3年。短期入所系、居住系、多機能系、施設系サービスが対象。
◆ 職員の多様化で人力も限界…
幸いにもテクノロジーの進化は目覚ましい。開発企業は試行錯誤を重ねており、現場のニーズに合った使いやすい製品・サービスを競って生み出している。
注目を集めているソリューションの1つが、職員のシフトを自動で作る機能を有する介護ソフトだ。見守りセンサーやコミュニケーションツールなどを追うように、このところ事業者の関心を急速に高めてきている。
毎月のシフト作成の大変さは、あえて強調して言うまでもない。調整に多くの配慮を要し、人間関係から生じるストレスもかかりやすい。時間を費やしてサービス残業となることも“あるある”で、施設長や管理者、リーダーなどの重い負担となっている。
従来はそれがマネジメント層の仕事だったが、もはや時代は変わりつつある。シフトを自動作成するAIが登場。業務を抜本的に効率化できる環境が生み出された。
介護現場は今後、外国人やシニア層、ボランティア、すきま時間の単発バイトなども更に増え、職員の一層の多様化が進むことになる。これは良い変化と言えるが、個々の希望と人員配置基準を照らし合わせるシフトの作成は、一段と複雑で難しい業務にならざるを得ない。敏感な事業者が、「早めに解決策をとろう」と動き出すのは至極当然の流れだ。
今回は、シフト自動作成サービス「miramos(ミラモス)」を提供するコニカミノルタの協力を得た。その性能や使った感触はどうなのか − 。実際に導入している社会福祉法人・聖隷福祉事業団の特養「聖隷カーネーションホーム(兵庫県淡路市)」へ取材に入ることができた。
出迎えてくれたのは、森本真史園長とケアサービス課の福田祥寛係長。導入して良かったかと尋ねると、「毎月のストレスがほぼ無くなった」「報酬返戻の不安から開放された」などと答えてくれた。具体的にどんな成果が得られているのか、お話をじっくり伺った。
*「miramos」について詳しくはこちら↓
◆「常に頭痛の種だった」
−−「miramos」を導入する前、シフト作成についてどんな課題を感じていましたか?
福田さん|とにかく業務負担が重かったんです。毎月、だいたい3日ほどかけてシフトを作っていました。担当者が残業になることも多かったですし、そうでなければケア業務を離れてシフト作成に専念しなければならず、他の職員にもしわ寄せがいっていました。うちも人材不足ですし、職場環境の改善も前へ進めなければいけないわけですから、なかなか厳しい状況だったんです。
−− 特にどんなところが大変でしたか?
森本さん|やっぱり職員みんなの希望に応えられるか、お休みを公平に与えられるかといった部分でしょうか。個々の能力のバランス、職員同士の相性なども配慮する必要があり、いつも頭を悩ませていました。加算取得のための人員配置も確保しなければならないなど、考えるべきことが本当に沢山あるんです。常に頭痛の種でしたね…。
◆「あの時動いて良かった」
−−「miramos」を導入したきっかけを教えて下さい。
福田さん|大阪の展示会へ行ったことですね。シフト作成の負担をなんとかしたい、と思っていた矢先の出会いでした。
これは一度試してみたい、という思いで上司にも相談しました。既にシフト作成に要している時間と短縮でき得る時間とを検討した結果、試してみる価値はありそうだという話になったんです。今あの時を振り返ると、思い切って動いて良かったなと感じます。
−− 導入はスムーズに進められましたか?
森本さん|そうですね。使い始めるにあたっては、コニカミノルタさんから手厚いサポートを頂きました。そのおかげで大きな困難、混乱はなく導入できたかなと思います。
◆ 業務負担が3分の1以下に
−− 導入後、どのようなメリットが得られましたか?
福田さん|負担感がかなり減りました。シフト作成のストレスはほぼ無くなったと言っていいと思います。
以前は3日ほど要していたわけですが、半日足らずで全て終わらせられるようになりました。シフト作成の時間を3分の1以下に減らせた、というのが得られた成果だと思います。
−− 自動作成の機能には満足していますか?
福田さん|職員のお休みの希望などを入力したうえで、自動作成のボタンをクリックすればシフトの原案が出てくるので簡単です。それをたたき台にして、細部を調整していく作業を進めていく流れです。
意外だったのは、原案をAIが作ることで職員間の不満が溜まりにくくなるという効果でした。「AIがこんな案を出した」と示しやすくなり、職員も感情に任せた反発などはしてきません。属人化が解消されることから、職場で険悪なムードが生まれる要因を小さくできるメリットがあると感じました。
◆「不安から開放された」
−− シフト作成でハレーションが生じることってありますよね。
森本さん|そうなんですよ。もちろん今も調整は欠かせませんが、第3者の客観的な提案として職員へ投げかけやすくなったことだけは間違いありません。
あとは加算でしょうか。AIが作るシフトの原案を見れば、加算取得に必要な人員配置がクリアされているかどうかが分かる設計になっています。
ですから、時間をかけていちいち確認する必要はありません。報酬返戻のリスクも無くなります。「万が一間違っていたら…」という不安から開放されることは、我々にとって非常に大きなプラスの変化なんです。気持ちがぐっと楽になりますよね。
−− もし他に、「miramos」を気に入っているところがあれば教えて下さい。
森本さん|そうですね。機能以外のところですと、サポートが非常に手厚いということでしょうか。何か困った時などに電話やメールで連絡を取り合うのですが、担当者さんのやり取りが細かくて丁寧なんです。これまでうまく使えてきているのも、そうした要素が非常に大きいと感じています。
「もう少しこうして欲しい」「ここの操作性が悪い」という我々の要望を、実際にシステムの改善に反映して頂いたこともありました。常に柔軟に、臨機応変に対応してくれるところが心強いです。信頼できる仕事仲間が増えたという感覚でしょうか。継続して使っていくうえでは、それがとても重要だなと思っています。
−− ありがとうございました。
◆ 勤務形態一覧表も自動で
コニカミノルタの「miramos」は、介護現場のシフト作成の大変さと向き合って開発された最新の介護ソフト。職員がケア業務に集中できる環境を生み出すこと、事業所・施設の経営を安定させることに力点が置かれている。
最大の特徴は、毎月のシフトを自動で作成してくれる高機能なAIだ。夜勤・連勤の制限や職員同士の相性、有資格者の割り振りなどを予め設定しておけば、それに沿った原案をすぐに提案してくれる。
加算取得の人員配置を満たしているかどうか、いつでも簡単にチェックできる機能も便利だ。管理者らは必要に応じて原案を修正すればいいだけ。業務時間や心理的な負担を大幅に軽減できる。作成したシフトは、勤務形態一覧表の形式でダウンロードすることも可能。
コニカミノルタは現在、「miramos」への評価や意見をフィードバックしてくれる事業所・施設を対象に無償トライアルも提供している。詳細や資料請求などは以下のバナーから。
*「miramos」について詳しくはこちら↓
Sponsored by コニカミノルタ株式会社