介護サービスの事業者や専門職らで組織する11の団体が16日、介護職の賃上げに必要な施策を早急に講じるよう求める要望書を岸田文雄首相に提出した。【Joint編集部】
要望書では介護施設・事業所の経営状況について、電気代・ガス代をはじめとする物価の高騰や新型コロナウイルス対策の影響などにより、「過去にないほど厳しい状況に追い込まれている」と説明。「賃上げまで行う余裕はない」と窮状を訴え、他業界で賃上げが進むなか介護職は置き去りにされていると指摘した。
あわせて、「国の公定価格で経営する介護施設・事業所は、その改定を待たなければ賃金を上げられない」と問題を提起。「介護業界からの人材の流出を招いている。介護職も一般企業と同程度以上の賃上げをすべき」とし、来年度の介護報酬改定も含めて早急に対策を講じるよう求めた。
特養の経営者らで組織する全国老人福祉施設協議会によると、こうした要望書を受けた岸田首相は、「生産年齢人口が減少する中でも介護サービスは維持しないといけない。重要な課題であり引き続き問題意識を持って取り組みを進めていく」と応じた。