要介護1と2の高齢者への訪問介護や通所介護を市町村の「総合事業」へ移す構想について、財務省は11日の審議会で早期の具体化を改めて強く要請した。【Joint編集部】
今後の社会保障制度の改革がテーマとなった今回、財務省がこれまで繰り返し実現を迫ってきたこの構想を政策メニューから外すことはなかった。
「今後も介護サービス需要の大幅な増加が見込まれる」と指摘。次のように重ねて訴えた。
「全国一律の仕組みではなく、運営基準・人員配置基準の緩和などを通じて、地域の実情に合わせた多様な資源の活用を図り、必要なサービスを効果的・効率的に提供する枠組みを構築する必要がある」
そのうえで、「2027年度の制度改正に向けて、要介護1と2の訪問介護・通所介護も地域支援事業への移行を目指すべき」と提言。「訪問介護の生活援助をはじめ、段階的にでも多様な主体による効果的・効率的なサービス提供を可能にすべき」と求めた。
この構想をめぐっては、政府が昨年末に2024年度からの実行の見送りを判断。「2027年度までの間に結論を出す」との方針を決めていた経緯がある。