介護サービス事業者で組織する11の団体が4月28日、他産業で賃上げの動きが広がっていることを踏まえて対策を講じるよう求める要望書を、自民党へ連名で提出した。【Joint編集部】
11団体は独自の調査結果を公表。今年の春闘の賃上げ率が3.69%だったのに対し、介護職員の賃上げ率は1.42%にとどまると指摘した。また、昨年度に介護現場を離れて他産業へ行った人が前年度比で約30%増えた、とも報告した。
要望書では、「介護施設・事業所はコロナ禍や物価高騰の影響で、過去にないほどの厳しい経営状況に追い込まれている。(追加的な)賃上げまで行う余裕はない」と説明。今年の春闘で30年ぶりのプラス水準となるなど“賃上げムード”が高まっていることで、「介護業界からの人材流出を招いている」と問題を提起した。
そのうえで、他産業と同水準の賃上げを介護業界も行えるようにする対策が必要と主張。「今年度の緊急的な措置や来年度の介護報酬改定での対応を実施すること」と強く求めた。