特養の経営者らで組織する「全国老人福祉施設協議会」は19日、今月上旬に政府へ提出した要望書の内容を訂正すると公式サイトで発表した。【Joint編集部】
訂正したのは、次の2024年度の制度改正で居宅介護支援に利用者負担を導入することの是非に関する見解だ。当初は導入を一部容認する立場をとっていたが、これを軌道修正。「全額公費が望ましい」と改めて強調した。
老施協はもともと、「介護が必要になった方がいつでもどこでも誰でもサービスを使えるようにするために、全額公費が望ましい」と主張したうえで、次のように記載していた。
「しかしながら、特養では介護支援専門員が人員配置基準に含まれていることから、入所後は実質負担していることになるため、公平性の面から議論は必要。例えば、仮に自己負担を導入する場合は、加算の有無で費用に差が出ることのないよう、1割負担ではなく定額制とすることも考えられる」
今回の要望書ではこの部分を削除。「全額公費が望ましい」との意見のみに留めた。老施協は理由を、「議論は必要と考えているものの、全額公費が望ましいという立場であり、定額制で自己負担を導入すべきと提言しているかのように誤解される恐れがあるため」と説明した。
居宅介護支援に利用者負担を導入する案は、財務省や経済界などが繰り返し具体化を求めているもの。右肩上がりの介護費の抑制につなげる狙いがあり、次期改正でも大きな焦点となる見通しだ。