16日の衆議院・本会議で、介護保険法の改正を含む「全世代型の持続可能な社会保障制度を構築するための法律案」の審議が始まった。【Joint編集部】
介護保険法の改正案は、厚生労働省の審議会が昨年末にまとめた意見書の内容を反映させたもの。全ての介護施設・事業所に対し、詳細な財務状況(損益計算書など)を自治体へ会計年度ごとに報告することを新たに義務付ける。施行は2024年度から。
政府は介護事業者の経営実態を“見える化”し、より詳しく把握・分析できるようにしたい考え。例えば3年に1度の介護報酬改定や介護職員の更なる処遇改善など、今後の施策の精度向上につなげる狙いがある。
自治体に報告された介護施設・事業所の財務状況は国が集約。その有効活用に向けてデータベースを整備するほか、分かりやすく整理した形で広く国民にも公表する。
厚労省は報告を求める財務状況の書類の具体的な範囲について、「介護現場の事務負担に配慮しつつ、法改正後に省令などで定める」と説明した。このほか、介護サービス情報公表システムでの財務状況の公表も併せて義務化する方針だ。