介護施設・事業所に対する自治体の指導や監査をめぐり、厚生労働省は今月13日までに公式サイトに新たな調査レポートを公表した。【Joint編集部】
昨年度に自治体の実地指導(運営指導)を受けた介護施設・事業所は全国で2万3714ヵ所。前年度より2864ヵ所増えたが、2019年度の半数以下の水準にとどまっていた。
昨年度の全体(*)に占める実施率は7.8%。厚労省は現状について、「実地指導は低調な状況。新型コロナウイルスの感染拡大の影響があったものと推察している」と説明した。
* 全国30万2206ヵ所の介護施設・事業所を指す
このほか、昨年度に自治体などの監査を受けた介護施設・事業所は全国で750ヵ所。前年度より67ヵ所減り、こちらもコロナ前の半数以下にとどまっていた。
こうした状況から、昨年度に何らかの問題で自治体から指定の取り消し、または効力停止の処分を受けた介護施設・事業所は105ヵ所。過去10年間で最も少なかった。
厚労省は全国の自治体に対し、指導監督業務の適切な実施の徹底を改めて要請。引き続き介護施設・事業所の支援に注力することに加えて、運営基準の違反や介護報酬の不正請求、利用者への虐待などが発覚した場合については、「厳正な対応を」と求めている。