2023年2月7日
介護事業者の経営、どう変わった? 厚労省が5月に実態調査 報酬改定に反映へ
次の2024年度の介護報酬改定に向けた動き。厚生労働省は今年5月から、介護施設・事業所の経営状況を把握する実態調査(介護事業経営実態調査)を行うことに決めた。【Joint編集部】
先週に開催した専門家会議で概要を説明。委員から大筋で了承を得た。
報酬改定をめぐる議論の根拠となる基礎資料を得ることが目的。結果は極めて重要な意味を持つ。全体の改定率、各サービスの単価などの設定に影響を及ぼす。回答率を高めて現状をより正確に掴みたいとして、厚労省は現場の関係者に広く協力を呼びかけている。
今回の5月の調査では、今年度の収支の状況や利益率、職員の給与などを確認する。コロナ禍に伴う補助金の効果も加味するほか、昨今の急激な物価高騰を受けた支援策の影響も探る。対象は全ての介護保険サービス。結果は今年10月ごろにまとめられ、それが“直近のデータ”として報酬改定の判断に使われる。
課題は回答率。前回の調査も5割を下回っており、専門家会議ではこれを改善するよう求める声が相次いだ。厚労省は調査項目の簡素化など、現場の事務負担を軽減する措置をできる限りとる方針。担当者は会合で、「有効回答率の確保は非常に重要。向上の取り組みに注力する」と話した。