厚生労働省は1日、介護施設・事業所の経営状況を把握する調査(介護事業経営概況調査)の最新の結果を公表した。【Joint編集部】
それによると、居宅介護支援の利益率(*)は2020年度が2.5%、昨年度が4.0%。現在の調査方法に変わってから初のプラスとなった。各サービスの利益率は表の通り。
* 税引き前収支差率。コロナ補助金を含む。
居宅介護支援はこれまで一貫してマイナスだったが、今回で一気に平均を上回るサービスとなった。2019年度の利益率はマイナス1.6%。そこから2年で5.6ポイント上昇した。ただ、全産業平均の利益率(2021年度:5.8%)よりは依然として低い。
厚労省は利益率が上がった要因について、「詳しい分析はこれから」としている。
2020年度は平均の実利用者数が増加し、人件費率は低下。コロナ禍の極めて特殊な状況が影響した可能性もある。昨年度は介護報酬改定の年で、基本単位数の引き上げなどが大きく寄与したとみられる。
この調査は介護保険の全てのサービスが対象。厚労省が昨年5月に実施し、2020年度と2021年度の決算の状況などを把握した。回答したのは全国の8123施設・事業所。結果は1日の専門家会議に報告された。