加藤勝信厚生労働相は23日の閣議後記者会見で、北海道のグループホームで知的障害者が不妊の手術や処置を受けていた問題をめぐり、「障害者の希望を踏まえた適切な支援が行われるよう、各自治体に対策の徹底強化をお願いしたい」と述べた。【Joint編集部】
あわせて、「障害者の結婚、妊娠、出産、子育てなどについて、現場の実態や好事例を把握して研究を進めることを、来年度に検討したい」との意向を示した。
この問題の発覚を受けて、厚労省は20日に全国の自治体に通知を発出。次のように明記した。
「一般論として、事業者が、障害福祉サービスの利用条件として避妊処置などを求めることや、利用者に対して避妊処置などを強要することは、法律の責務規定に違反する。また『全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである』という法律の基本理念を踏まえれば、障害があることを理由に子どもを産み育てられないものとして支援することは、あってはならない」
そのうえで、こうした責務規定違反などに該当する、または疑われるケースを把握したら速やかに報告するよう要請。「結婚、出産、子育てを含め、障害者がどのような暮らしを送るかは、本人が決めることが前提。その意思決定を丁寧に支えることが重要」と呼びかけた。