厚生労働省は8日の厚生科学審議会の専門分科会で、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した新たなワクチンについて、10月中旬以降に接種を開始する方針を固めた。【北村俊輔】
対象者については、2回目までの接種を終えた全ての人(*)とする案を提示。今後は具体的なルールの決定に向けて、この考えを軸に調整を進めていく構えだ。
* 3回目、4回目の接種を終えた人も含む
今回使用が提案されたのは、オミクロン株の派生型である「BA.1」に対応する成分と、流行初期の従来株(武漢株)に対応する成分とを組み合わせた二価ワクチン。ファイザー社とモデルナ社が製造しており、現在国内で流行している「BA.5」にも一定の効果があると評価されている。
厚労省は接種間隔について、直前のワクチン接種から5ヵ月前後を想定。薬事承認がスムーズに進んだ場合、早ければ9月半ばから輸入を始める計画を練っている。
分科会に参加した委員からは、「4回目の接種対象者が新たなワクチンを待つ”接種控え”が起こらないよう、十分にアナウンスすべきだ」や、「接種の主体となる自治体が住民からの問い合わせで忙殺されないよう、丁寧な情報提供をして欲しい」といった声があがった。