2022年12月26日
在宅医療・介護の職員を守る条例、ふじみ野市が制定へ 医師死亡の発砲事件を受けて安全確保を目指す
訪問診療を行っていた医師が患者の親族に撃たれて亡くなった今年1月の立てこもり事件 − 。現場となった埼玉県ふじみ野市は、在宅医療・在宅介護を支える職員の安全を確保するための条例を新たに制定する方針だ。【Joint編集部】
公式サイトで条例の原案を公表。今はパブリック・コメントを実施している。意見募集の期限は来年1月10日(火)まで。
ふじみ野市が制定を目指すのは、「地域の医療・介護を守る条例」。原案にはその基本理念として、「地域の医療・介護は、市民が安心して生活していくうえで欠かすことのできないもの。市、 市民、医療機関、介護事業者が一体となり、地域全体で守り育てなければならない」との考えが掲げられている。
こうした基本理念の具体化に向けた取り組みを推進することを、ふじみ野市は市の責務として明記。埼玉県と連携して施策を展開していく方針を打ち出した。
あわせて市民の責務として、
○ 医療・介護の担い手が安心して従事できるよう、信頼関係の構築に努めなければならない
○ 適切な医療・介護の利用に努めなければならない
などを記した。信頼関係の構築については、医療機関や介護事業者にも同様に「努めなければならない」と求めた。条例の施行は来年4月1日からとしている。
立てこもり事件は今年1月27日に発生した。渡辺宏被告(67)が高齢の母を診ていた在宅医療の関係者らに発砲。医師の鈴木純一さん(44)が犠牲になったほか、同行していた理学療法士や相談員らも重軽傷を負った。