障害者総合支援法の見直しに向けた議論を重ねてきた社会保障審議会・障害者部会が13日、これまでの議論を総括した報告書をまとめた。【Joint編集部】
地域生活の支援の拡充が大きな柱の1つ。グループホームの機能の強化を図ること、相談を受ける体制の整備を加速させることなどを打ち出した。
厚労省はこの報告書を基に、障害者総合支援法の改正案を策定する方針。担当する社会・援護局の関係者は、「できるだけ早く法案を提出すべく準備していく。仮に今年の臨時国会が召集されるのであれば、そこにも間に合うように作業を進めていきたい」と話した。
報告書では見直しの基本的な考え方として、
◯ 障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり
◯ 社会の変化に伴う障害者のニーズへのきめ細かな対応
◯ 持続可能で質の高い障害福祉サービスの実現
の3点を軸に据えている。
グループホームについては、その支援内容に1人暮らしを希望する人へのサポートや退居後の相談などが含まれることを、法律上明確化すべきと明記。1人暮らしなど本人が希望する地域生活の実現に向けた選択肢を増やす観点から、新たなグループホームの類型を検討していく構想も盛り込んだ。
また、地域で中核的な役割を担う「基幹相談支援センター」の設置を市町村の努力義務とするなど、相談体制の整備を進める具体策を講じることも提言。あわせて、緊急時の対応や一時的な受け入れなども行う「地域生活支援拠点」の設置を、市町村の努力義務と位置付けることも求めた。
厚労省はこのほか報告書に、障害福祉分野でもデータベースを構築することや「居住地特例」を見直すことなども書き込んでいる。