2025年4月14日
厚労省、訪問介護の経営支援で中山間地加算を弾力運用 補助金の要件も緩和


厚生労働省は14日、経営環境が厳しい訪問介護の事業所に対する追加の支援策を明らかにした。【Joint編集部】
中山間地域などを対象とした介護報酬の加算の要件を弾力化する。2024年度の補正予算で設けた新たな補助金の要件も緩和する。
より多くの事業所に支援策が行き届くようにする狙い。14日に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で公表し、「小規模な事業所の経営の安定化を早期に図る」と説明した。
厚労省が要件を弾力化するのは、既存の「中山間地域等における小規模事業所加算(所定単位数の10%)」。現行の要件では、地域区分が「その他」の事業所のみを対象としているが、過疎地や辺地、豪雪地などであれば、他の地域区分の事業所でも算定できるように改める。
あわせて、「前年度の1月あたりの訪問回数が平均200回以下」という既存の要件も緩和する。関連通知を近く改正する方針だ。
厚労省は加えて、昨年度の補正予算に基づく新たな補助金の要件も見直す。
例えば、研修体制の構築を後押しする1事業所あたり10万円のメニュー。対象経費を「可能な限り広く解釈する」としたうえで、申請時点で具体的な研修計画などが十分に用意されていなくても、補助金を受けられるように運用する。全国の自治体に対し、職員の資質向上に必要な取り組みを行うという事業所の誓約があれば、概算払いで速やかに交付を決めるよう依頼する。
厚労省はこのほか、複数の事業者による経営の協働化・大規模化を後押しするメニュー(1事業者グループにつき最大200万円)についても、一部の要件を緩和すると説明。厚労省の関係者は会合後、「できる限り速やかに支援策が現場に届くよう努める」と話した。