

ほぼ毎年のことだ。介護の現場では、新年度を迎えるたびに少なからず緊張が走る。新たなルールがまた1つ、動き出すからだ。【Joint編集部】
2025年度の大きな見直しの1つに、業務継続計画(BCP)を策定していない事業所・施設に対する介護報酬の減算の導入がある。
現場に求められるのは、感染症と災害の発生を想定したBCPの策定。このどちらか、または両方が未策定の場合には、新年度から事業所・施設に以下の減算が適用される。居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く全てのサービスが対象だ。
《業務継続計画未実施減算》
◯ 施設・居住系サービス=所定単位数の100分の3に相当する単位数を減算
◯ その他のサービス=所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算
この減算の導入は、2024年度の介護報酬改定をめぐる議論で決められたもの。2025年度から完全適用されることになったのは、国が現場の負担も考慮して1年間の経過措置(*)を設けていたためだ。
1年間の経過措置=訪問系サービス、福祉用具貸与、 居宅介護支援については、2025年3月31日までの間は減算を適用しない。それ以外のサービスは、2025年3月31日までの間、感染症予防の指針と災害計画が整備されていれば減算を適用しない。
この経過措置の期間が終了したため、新年度から減算が適用される運びとなった。BCPの策定は、現場にとって決して小さな負担ではない。施策の実効性を高める検証と、きめ細かな支援が国に求められる。