厚生労働省は5日、高齢者施設の医療提供体制の強化を改めて要請する通知を全国の自治体へ発出した。新型コロナウイルスの新規感染者数の1週間平均は、5日時点で2万4427人。1万5635人だった前週平均より約8800人(1.56倍)増えた。全国的に再拡大の傾向が表れていることから、介護現場への支援を重ねて呼びかけた格好だ。【鈴木啓純】
厚労省はこれまで自治体に対し、
○ 陽性者が発生した高齢者施設から報告があった24時間以内に、感染制御・業務継続支援チームを派遣できる体制の構築を目指すこと
○ 必要に応じて医師や看護師による往診などの医療を確保できる体制を、全ての高齢者施設で作ること
などを注文してきた。
今回の通知では、感染状況が再び深刻化した際にこうした備えがしっかりとワークするよう、取り組みの更なる徹底、具体化を要請。引き続き高齢者施設への後押し、働きかけに注力するとともに、協力を得る病院が治療薬の対応機関として登録しているかどうか確かめることも求めた。感染制御・業務継続支援チームの派遣については、これまでの感染ピーク時の拡大レベルを念頭に体制を整備するよう指示した。
通知ではこのほか、必要に応じた集中的検査の着実な実施なども改めて促している。
後藤茂之厚労相は5日の会見で、「新規感染者数が全国的に増加傾向に転じた。病床使用率も大都市では上昇傾向がみられる。今後の感染拡大も懸念される」と説明。「現下の状況を踏まえ、高齢者施設での医療支援の更なる体制整備、集中的検査の実施などについて改めて点検・強化を呼びかけていく」と述べた。