厚生労働省は25日、障害者に対する虐待の実態を明らかにする調査の結果を新たに公表した。【Joint編集部】
障害福祉サービスの職員らによる虐待の相談・通報の件数は、昨年度で5618件。前年度を大幅に上回り、過去最多を更新した。実際に虐待を受けた障害者も2356人にのぼり、これまでで最も多くなった。
厚労省は要因について、虐待への意識の高まりから表面化するケースが増えたことをあげた。グループホーム運営大手の「恵」が、組織的に利用者から過大な食材費を徴収していた問題を、自治体が経済的虐待と位置付けたことも影響したと説明した。
職員による虐待を相談・通報した人をみると、事業所の他の職員が20.9%で最も多い。次いで事業所の設置者・管理者が14.4%、障害者本人が14.3%となっている。
このほか、親族など養護者による虐待の相談・通報の件数は9972件で、実際に虐待を受けた障害者は2285人だった。