2024年11月20日
介護関係12団体が政府・与党に要望書 補正予算に向け賃上げや物価高対策を強く要請
介護サービスの事業者や専門職らで組織する関係12団体は20日、政府が近くまとめる新たな経済対策に向けた要望書を、加藤勝信財務相、福岡資麿厚生労働相、自由民主党の小野寺五典政務調査会長へ連名で提出した。【Joint編集部】
12団体は、長引く物価高騰や深刻な人手不足で介護事業所・施設の運営がますます厳しくなっていると強調。今年度の補正予算で財源を確保し、各サービスの運営状況に応じて柔軟に活用できる財政支援を行うよう求めた。あわせて、自治体間で取り組みに差が生じないように配慮すべきとクギを刺した。
12団体は要望書で、介護職の賃上げも強く要請した。
今年度は介護報酬のプラス改定があったものの、一般企業の賃上げには追い付いていないと指摘。「3年に1度のタイミングを待たなければ賃金が上げられない状況は、介護分野から他産業への人材流出を加速させる」と問題を提起した。
そのうえで、春闘の一般企業の賃上げ率と今年の介護職の賃上げ率など(*)を勘案し、追加的に年収の3%相当の賃上げを具体化するよう訴えた。
* 介護関係9団体の調査結果によると、今年の介護職の賃上げ率は2.52%。一方、春闘の賃上げ率は5.10%(中小4.45%)だった。また来年の春闘に向けては、連合が中小で6%以上の賃上げを求める方針を決めている。
このほか、12団体は福岡厚労相に対し、今年度の介護報酬改定で拡充・一本化された「処遇改善加算」について、中小事業所の取得率を高めるための要件緩和を求めた。