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2024年10月24日

【奈良夕貴】外国人が訪問介護で活躍するために必要なこと

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《 NTTデータ経営研究所・奈良夕貴氏 》

◆ 就労する日は近いか


今回は外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について考えたいと思います。【奈良夕貴】

厚生労働省の「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会|中間まとめ(2024年6月26日)」では、次のように記載されています。

「日本人同様に介護職員初任者研修を修了した有資格者等であることを前提に、(中略)一定の事項について遵守を求め、当該事項を適切に履行できる体制・計画等を有することを条件として従事を認めるべきである」

世間では訪問系サービスの「解禁」という言葉が飛び交っていますが、中間まとめでは「解禁」という用語は使用されていません。「認めるべきである」としながら、併せて必要な措置や留意事項についても記載されています。


本議論の背景には、外国人介護人材の活躍や定着が進んでいることに加え、深刻な人材不足があると思われます。国は、介護人材確保に向けた対策として様々な取り組みを実施していますが、他産業でも人材が不足しているなか、日本人だけで必要数を確保することには限界があります。

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◆ 外国人介護人材が活躍するために


今後、本格的に訪問系サービスへの外国人介護人材の就労が進むと思われますが、実際に活躍している外国人介護人材や事業所の状況を踏まえ、以下の点が特に重要と考えます。


◯ 利用者・家族への説明


施設系サービスも同様ですが、利用者、職員双方の安心のため、利用者・家族への説明は丁寧に行う必要があります。特に懸念事項は解消しておくことが大切です。


例えば職員側でいうと、宗教的な配慮が必要な場合、お祈りを利用者から見える範囲で行うことや、禁忌食の関係で調理ができない可能性もあることなどがあります。ある事業所では、双方納得の上でサービスを提供しています。

◯ ICTの活用


訪問系サービスでのICT活用はまだまだ進んでいないところも多いと思いますが、外国人介護人材が多く活躍している事業所では、1人1台スマートフォンを貸与し、緊急連絡、記録の入力・確認を簡単に行えるようにしています。


いつでもどこでも記録を入力・確認できるメリットに加え、外国人にとっては、言葉で説明しづらい状況を写真で送信したり、わからない用語をその場で検索したり、翻訳ソフトで変換したりすることも可能となります。ICTが言語面をサポートすることで、外国人介護人材が本来のスキルを発揮できる環境を作ることができます。


そのほか、直行直帰や関係者全員がリアルタイムで利用者の状況を把握できるグループチャットを活用するなど、事業所にとっても職員にとっても大きなメリットがあります。

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◆ 介護に国籍は関係ないが…


日本人でも経験が少なければ調理や掃除などに苦労することがあり、利用者の状態によっては、傾聴の姿勢がなければすぐに聞き取れないこともあります。外国人だからできないということは、実は少ないと思われます。


しかしながら、訪問系サービスは利用者と1対1になることから、その場での判断、状況を迅速・正確に他職種などに伝え、調整する能力が必要になります。高い介護の知識・技術とコミュニケーション能力が求められることは言うまでもありません。


このため、現場の負担を考えると、N2相当以上の日本語能力と、養成施設での就学経験や施設系サービスでの実務経験があることが望ましいと考えられます。


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