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2024年8月6日

【小濱道博】リハビリデイの新潮流 介護と障害の共生型に勝機あり

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《 小濱介護経営事務所|小濱道博代表 》

7月1日、SOMPOホールディングスとRIZAPグループとの業務提携の締結を報告する記者会見が行われた。【小濱道博】

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今後、SOMPOケアの介護保険サービスとRIZAPの保険外サービスがシームレスに提供される環境が構築されていく。この提携は、今後のデイサービスにとっても大きな転換期となる。


RIZAPは、エクササイズのアウトカムを明確にグラフなどで見える化することに長けている。この点が、ただ単にリハビリを提供するだけのデイサービスにとって脅威となる。リハビリを行わない単なるレスパイト型の経営環境は、更に厳しくなっていくだろう。


これからは、成果が見えるリハビリの提供が成功要因となることは間違いない。形だけのリハビリでは生き残れない時代がやってくる。


◆ 共生型は可能性大


しかし、RIZAPグループでは対応できない分野も存在する。それは障害者へのリハビリだ。


介護のデイサービスが共生型の生活介護を併設する理由の1つが、稼働率のアップである。共生型サービスの許認可では、障害福祉独特の資格「サービス管理責任者」の配置などが免除される。従来のデイサービスの人員配置で、障害福祉サービスの許認可を受けることができる。


その代わり基準該当サービスと同じ報酬体系になるが、予防の利用者を受け入れたと考えれば許容範囲であろう。1日に1人でも2人でも障害者を受け入れることで、稼働率が確実にアップする。


一般的に障害福祉サービスのニーズはレスパイトである。しかし、障害者へのリハビリのニーズは潜在的に多く存在する。

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◆ 偏見に負けるな


2018年改定で創設された共生型サービスは、今も普及が進んでいない。その理由の多くは、職員が障害者へのケアに不安を抱えていたり、利用者が障害者と同じスペースにいることを好まなかったりすることだ。


実際、共生型の生活介護を併設しているデイサービスの業績は尻上がりで好調である。短時間リハビリデイサービスで、障害者にもリハビリを提供している事業所では、身体機能の改善が多く確認されている。


リハビリで体を動かすので、夜もよく眠れる。気持ちが落ち着く効果もあり、家族からも好評である。


身体機能や心理面などが改善されて、生活介護から就労支援へ移行した利用者もいる。親が要介護者、子供が障害者の親子は、一緒に同じデイサービスに通っている。


いま、障害福祉サービスはレスパイト目的から自立支援目的に大きく舵を取りつつある。障害者へのリハビリが大きな成功要因になろうとしている。


障害福祉サービスに対する偏見は多い。テナント契約でも、障害者の生活介護は断られる傾向が強い。地域住民の反対など、偏見による見えない壁にぶつかって開業を断念するケースも多い。周りに意見を聞いても、高齢者は障害者を嫌がり、障害者は高齢者を嫌がることなどを理由として、「共生型はやめたほうがいい」と言われることが多い。


しかし、実際にスタートしている共生型事業所の現状は異なる。利用者には高齢者・障害者といった偏見はなく、むしろ相乗効果が大きい。「孫と利用したい」「親子で通いたい」という方もいる。様々な年齢の方が共生することで、デイサービスは活気づき、利用者のモチベーションも自然と向上する。


そして、事業所の空気が良くなる。世間の反発は、利用者の目線ではなく、単なる責任のない意見に過ぎない。

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◆ 事業成長のカギは…


問題は、障害者に対してリハビリを如何に提供するかである。


リハビリでは転倒リスクが大きな課題となる。この点は、寝ながらリハビリを行うプログラムを導入することで解決できる。その副次的な効果として、介護サービスでも中重度の利用者が増えて客単価が高くなる。


ポイントは、リハビリによる改善の見える化である。そして、利用者のアセスメントと改善のためのプログラムの導入である。


この点は、評価者によるバラツキが問題となるため、評価の均一化と効率化に向けてICTシステムを導入すべきだろう。ICT化は職員の負担軽減のためにも重要だ。共生型に限らず、デイサービスにも“結果が見える評価システム” は必須である。


共生型サービスを提供する事業所はまだまだ少ない。しかし、今後はニーズのある共生型が大きな潮流となっていくだろう。そして、競争がない今から参入することで、地域の一番店になることが可能である。このビッグチャンスを逃す手はない。


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