障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けて、政府は29日に「対策推進本部」の初会合を開催した。【Joint編集部】

岸田文雄首相は席上、「障害者への社会的障壁を取り除くのは社会の責務。社会全体が変わらなければならない。偏見や差別、優生思想の根絶に向けて政府一丸となって取り組む」と明言。一連の具体策を盛り込んだ新たな行動計画を策定する方針を打ち出した。

この対策推進本部は、障害を理由に不妊手術を強いた旧優生保護法を違憲とした最高裁判決を受けて新設されたもの。岸田首相が本部長を務め、全ての閣僚がメンバーとして参画している。

岸田首相は会合で、新たな行動計画の策定にあたって有識者や当事者からも意見を聞くと表明。地域の支援体制の構築も含めて、「障害者の希望する生活の実現に向けた支援を行う」との考えを示した。

政府関係者は新たな行動計画の策定をめぐり、「なるべく幅広い当事者の意見を聞けるようにしたい」と説明。策定する時期や今後の議論の進め方については、「これから検討する」と述べるにとどめた。