2024年5月30日
認知症施策の基本計画に「新しい認知症観」 政府案 「オープンに語れる社会へ」
政府は今年秋頃を目途に、新たに制定された「認知症基本法」に基づいて「認知症施策推進基本計画」を策定する。その中で重視する考え方を、30日に開催した関係者会議にポイント(案)として提示した。【Joint編集部】
「認知症の人が基本的人権を有する個人として、認知症とともに希望を持って生きるという“新しい認知症観”に立つ」
こうした理念を基本計画の前文に掲げてはどうかと説明。「認知症の本人・家族の意見を聞き、ともに施策を立案・実施・評価する」との原則を打ち出す意向も明らかにした。
政府はあわせて、重点的に取り組むべき課題や達成すべき目標などを基本計画に盛り込み、関連するKPIを設定することを提案。重点目標のイメージ例として、「認知症であることをオープンに語れる社会とする」をあげ、そのKPIを「オープンに語れる国民の割合」とする案も示した。
この基本計画は、今年の元旦に施行された「認知症基本法」が政府に策定を求めているもので、国の認知症施策の指針となる。政府は今後、認知症の当事者らが参画する関係者会議で更に議論を深めていく方針。この日の会合では委員から、「国民の間で“新しい認知症観”の理解が深まるよう、考え方をより分かりやすく示していくべき」などの声があがった。