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2024年5月29日

【斉藤正行】ケアマネ更新研修、抜本的な見直しを! 廃止論をどう考えるべきか

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《 全国介護事業者連盟・斉藤正行理事長 》

ケアマネジャーのあり方を問い直す議論が活発化しています。【斉藤正行】

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厚生労働省は今年度から、「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」を設置。4月に開催した初会合で、次のような論点を提示しました。

(1)ケアマネジャーの業務のあり方について
(2)人材確保・定着に向けた方策について
(3)法定研修のあり方について
(4)ケアマネジメントの質の向上に向けた取り組みの促進

この中でも、とりわけ大きな関心を寄せられているのが更新研修のあり方です。


その廃止を求める署名活動が行われるほど、更新研修は全国的にケアマネジャーの不満の温床となっています。今回は、この更新研修について論考したいと思います。


最初に、現場から強い不満が噴出している課題点をいくつか確認します。まずはなんと言っても更新研修の時間の長さでしょう。


居宅介護支援のケアマネジャーは、24時間365日といっても決して過言ではない環境で、ご利用者・ご家族から日々様々な相談を受けています。非常に忙しい中で研修を義務付けられ、それに膨大な時間が割かれることへの疑問の声が少なくありません。

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その研修の質も、実施主体や講師の力量などによって大きく異なると指摘されています。画一的な内容も多く、良質な学びの機会が少ないという声も聞こえてきます。


加えて研修費用は、一部の自治体で一定の補助制度が存在しているものの、原則として個人負担となります。金額も安くなく、都道府県によっては高額と言わざるを得ません。


また、更新時期の確認も簡単ではありません。事前に通知されないケースもあり、ケアマネジャーには自己管理が求められます。冠婚葬祭など外し難い予定と重なった場合も、研修に参加しなければ資格を失ってしまうことがあります。


このような現状への不満が、ケアマネジャーの資格を取ったり更新したりする意欲を削ぎかねない状況を招いています。これは人材不足の大きな要因の1つとなっており、更新制度・更新研修の抜本的な見直しは不可欠であると思います。

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また、そもそも、数ある資格の中で、なぜケアマネジャーには更新が求められるのでしょうか。現場からは更新制度そのものの必要性を問う声も多く聞こえてきます。


しかしながら、少なくとも現状の政府の方針には、更新制度を廃止する方向性は見られません。


介護保険制度の発足後間もない頃から、制度の根幹とも言えるケアマネジャーの質の向上に向けた努力が重ねられてきました。公的な検討会が設置され、丁寧な議論やデータ検証の結果として、更新制度が導入された経緯があります。その後も継続的に議論が深められ、更新制度や研修内容は見直されながら現在の姿となっています。


更新制度の廃止を求めるならば、これまでの議論の過程をしっかりと検証したうえで、反証する確かな論拠が必要です。そうでなければ、実現は難しいと言わざるを得ません。


私は、その意味で、更新制度には前述の通り多くの課題が山積していることは確かですが、そのことだけをもって、現時点で更新制度の廃止を主張することには無理があると思います。そのあり方をより中期的に議論していく必要があるのではないでしょうか。

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一方で、やはり抜本的な見直しが必要であるとは考えています。例えば、現行制度の運用の中でも、

◯ 更新頻度の期間延長
◯ 研修時間数の簡素化
◯ 研修カリキュラムの見直し
◯ 研修実施方法の見直し、講師のレベル向上
◯ アーカイブ研修の導入
◯ 研修受講費用の補助制度の創設
◯ 研修未受講者に対するフォロー体制

などなど、様々な改善策を検討することは可能です。これらの早期の実現が求められると思います。


ケアマネジャーは介護保険制度の根幹とも言える存在です。そのあり方をめぐる議論がこれから本格的に行われるのは、大いに期待・歓迎できることでしょう。是非とも今後の議論の行方にご注目ください。


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