医療経済研究機構が主催する第8回「地域包括ケアシステム特別オープンセミナー」が8日にオンラインで開催された。【Joint編集部】
基調講演では、介護報酬を議論する国の審議会の会長も務める埼玉県立大学の田中滋理事長が登壇。「口腔ケア・栄養ケア・生活ケアの連携」をテーマに語った。
田中氏は前回の2021年度の報酬改定で、自立支援・重度化防止の文脈でリハビリテーション・機能訓練、口腔ケア、栄養ケアの”3つの連携”が柱の1つとされたことについて、「それぞれ単独ではなく、全てセットで強化していくべきこと。これが将来の方向性」と解説。「国は全体に広めるべく報酬に反映させた。この3つの連携が全国の標準となっていくことを求めている」との認識を示した。
前回の報酬改定では、リハビリテーション・機能訓練、口腔ケア、栄養ケアの一体的な運用を促す仕掛けが組み込まれたり、関連のインセンティブが拡充されたりした経緯がある。加算の算定要件としては、例えば計画の作成や会議の開催、リハ職・管理栄養士・歯科衛生士の関与、LIFEへの情報提供などが設定されている。
田中氏は「これらは新しい動き。口腔ケア、栄養ケアの重要性が認識され始めたのも、それほど昔のことではない」と指摘。「加算の取り組みも、『今できていないから心配だ』ではなく、まだ新しいことなのでこれからでも間に合う」と述べた。
この日のセミナーでは、厚生労働省の担当課(老健局老人保健課)の古元重和課長も講演。「リハビリテーション・機能訓練、口腔ケア、栄養ケアを三位一体として多職種連携で行っていく。これがキーワード」と説明した。そのうえで、「この大きな流れは今後も続いていく。リハビリテーション・機能訓練、口腔ケア、栄養ケアを常に連携させることを、現場でもぜひ心がけて頂ければ」と呼びかけた。