日本介護支援専門員協会は10日、居宅介護支援にも利用者負担を導入すべきと働きかける財務省に反対する声明を公式サイトに掲載した。【Joint編集部】
財務省は先月16日の審議会で、例えば次のように持論を展開してケアプラン有料化の実現を訴えた。
「居宅介護支援は制度創設以来、ケアマネジメントの利用機会を確保する観点などから利用者負担を取らない扱いとされてきた。しかし、制度創設から20年以上が経ちサービスが定着。利用者が本来負担すべき費用を現役世代の保険料で肩代わりし続けることは、世代間の公平の観点からも不合理」
日本介護支援専門員協会はこれに反論した。
居宅介護支援が10割給付となっている理由として、「要介護の利用者に対し、個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境に応じて保健・医療・福祉などのサービスが多様な主体により総合的・効率的に提供されるようにするため」などと改めて説明。「この重要性は、例え年月が経とうとも普遍の意義を持つ。制度創設から20年が経過したからといって、今日の利用者にも薄らぐことはない」と強調した。
あわせて、「インフォーマルサービスを含めて調整を主たる業務とする居宅介護支援を、他の介護サービスと同列と見なすことに無理がある」と指摘。「居宅介護支援は、サービスが多様な主体により総合的・効率的に提供されるためのセーフティネット。全ての利用者が公平に過不足なく支援を受けられる環境を維持していくことが重要」とし、現行制度の維持を求めた。
このほか協会は、「給付費が増加しており、国民の負担を増大させないことが制度を維持していくうえでの課題であることは十分承知している」と説明。「介護支援専門員を中心としたケアマネジメントが円滑に実施されていくことが、自立支援や過不足のない給付を可能とする最善の仕組み」との認識を示した。