ケアマネジメントをめぐる様々な課題を議論する国の検討会が9日に開催された。2回目となる今回は、現場の関係者から意見を聞くヒアリング。ケアマネジャーの資格試験(実務研修受講試験)のあり方も話題の1つになった。【Joint編集部】
ヒアリングに招かれた「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会の板井佑介理事は、実務研修受講試験の受験要件について、「個人属性によるところも大きいため、3年程度の実務経験のみで良いのではないかという声がある」と報告。「ケアマネジャーにはコーディネートやネットワーキング、コミュニケーションなどのスキルが重要。特定職種の実務経験だけでは、必ずしも幅広い視点を持つことにつながらない面もある。受験要件はもう少し柔軟に考えても良いのではないか」と促した。
同じくヒアリングに招かれた全国介護事業者連盟の斉藤正行理事長も、実務研修受講試験の受験要件に言及。実務経験の年数の柔軟化に加え、喀痰吸引等研修を受講したホームヘルパー(初任者研修修了者)の追加も提言した。「ケアマネジャーの地位向上のためにも対象拡大には慎重な議論が必要」と念を押したうえで、人材の質を確保しつつ受験者数を増やす方向で検討すべきとした。
検討会の委員では、青森県立保健大学の工藤英明教授が実務研修受講試験のあり方に触れ、「合格率が低い。間口を広げるために少し見直し、その代わり、実務研修でしっかりと質を担保するようなことがあってもいい」と主張した。
国際医療福祉大学大学院の石山麗子教授もこれに賛同。「他の相談援助の国家資格も参考としながら、合格率を見直していく必要性がある。間口を広げたらその分、実務研修を充実させるという考え方もある」と述べた。