2024年4月23日
政府、身寄りのない高齢者の身元保証で指針案 事業者に介護現場との連携を要請
身寄りのない高齢者の身元保証などを担う民間の事業者が守るべきガイドライン(案)が公表された。今月19日、政府が省庁横断の「孤独・孤立対策推進本部」で初めてまとめた。【Joint編集部】
高齢者が介護サービスを利用する際の支援のあり方も柱の1つ。本人の希望を確認して意思を尊重すること、介護事業所・施設、ケアマネジャーらと連携を図ることなどの重要性が明記された。
高齢化の進行や1人暮らしの増加などでニーズが高まり、高齢者の身元保証などを担う事業者は増加している。今後、介護職はこうした事業者と関わる機会も増えていくことになりそうだ。
政府は今回のガイドライン(案)で、高齢者と身元保証などの契約を結ぶ事業者に対し、その中身を書面により丁寧に説明することを要請。利用者の尊厳と自己決定を重んじ、きめ細かい対応に努めるよう求めた。
介護サービスとの関係、例えばサービスの開始、入所・退所の支援、身元保証、緊急連絡先の受託、身柄の引き取りなどにあたっても、支援内容や費用を契約書、重要事項説明書で明確にすべきと指摘。必要に応じて医療機関や介護事業所・施設、ケアマネジャーらと緊密に連携し、「高齢者が必要とする医療・介護、考えられる選択肢を確認・相談すること」と促した。
このほか緊急連絡先の受託について、「特に夜間・休日の体制や施設へ駆けつけるタイミングなどを高齢者に予め説明しておくこと」と要請。「医療機関や介護施設、ケアマネジャーらにも説明しておくこと」と呼びかけた。
岸田文雄首相は19日の対策推進本部で、「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」の実現を目指すと表明。出席した関係閣僚に対し、今回のガイドライン(案)の速やかな策定を指示した。