厚生労働省は今年度、介護職員の処遇改善の進捗状況を把握するための臨時調査を実施する。14日に開催した専門家会議で決めた。【Joint編集部】
月額3%ほどの賃上げに向けて今年2月分から交付されている補助金、10月に新設される「ベースアップ加算」などの効果を確認する狙い(*)。今後の施策の立案に結果を役立てる計画だ。
* 補助金は「介護職員処遇改善支援補助金」を、ベースアップ加算は「介護職員等ベースアップ等支援加算」を指す。
臨時調査は今年12月に行われる。特養や老健、介護医療院、特定施設、グループホーム、訪問介護、通所介護、小規模多機能など、幅広いサービスが対象となる。補助金などを受けられない居宅介護支援は対象外。結果は来年4月頃に公表される予定。
厚労省は臨時調査を通じ、各種加算の算定率や給与の動向、基本給・手当・一時金の内訳、算定要件の満たし方などを明らかにする方針。各種加算を算定していない事業所には、その理由を尋ねて課題を抽出する。また、新型コロナウイルスの感染拡大が現場に与えている影響も探るという。
成長と分配の好循環や賃上げを旗印に掲げる政府は今後、介護職員の更なる処遇改善を検討していく構えだ。今回の臨時調査の結果は、2024年度の介護報酬改定など当面の議論の重要な指標となる。
厚労省の担当者は会合で、「記入者負担にも配慮して質問項目などは可能な限り簡素化する」と説明。回答率の向上につなげたい考えを示した。