厚生労働省は新年度に、介護保険制度の要のケアマネジャーをめぐる様々な課題を議論する新たな有識者会議を立ち上げる。【Joint編集部】
地域で期待される役割が広がっていることにどう対応するか、あるべき業務範囲の整理が大きな論点。居宅介護支援のケアマネジメントで自己負担を徴収するか否かも重要なテーマとなりそうだ。
厚労省はこのほか、ケアマネ試験(実務研修受講試験)の資格要件の見直し、主任ケアマネの役割の明確化、法定研修の負担軽減、AIやICTの一層の活用なども俎上に載せる。
28日の審議会(持ち回り開催)で、「課題を包括的に検討し、具体的な方策を講じる」と説明した。支援ニーズの多様化・複雑化で能力の向上が求められること、これから人材不足の更なる深刻化が懸念されることなどを念頭に取り組む。
新たな有識者会議は、「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会(仮称)」。4月に第1回を開き、それから概ね月1回のペースで会合を重ねていく。
厚労省は今年秋に中間的な取りまとめを行う予定。その後、来年以降の審議会での議論につなげていく計画だ。
ケアマネをめぐっては、全国的に人材不足が顕在化しており現職の高齢化も進んでいる。思い切った手を打つべき、と訴える介護現場や自治体の関係者も多い。処遇改善や負担軽減とあわせて、サービスの質の維持・向上を実現することが課題。今後、厚労省の施策の方向性に大きな注目が集まりそうだ。