【介護報酬改定】厚労省、ケアマネのオンラインモニタリングの留意点を新たに提示 解釈通知案に5つの視点
来年度の介護報酬改定で居宅介護支援のケアマネジャーに実施を認めるオンラインモニタリングについて、厚生労働省は新たに運用の留意点を明らかにした。8日に公表した解釈通知の案に盛り込んだ。【Joint編集部】
モニタリングは原則、利用者の居宅を訪問して行うことと改めて明記。「オンラインで行う場合も、利用者の状況に変化が認められた場合などは対面に切り替えることが適当」と説明した。
そのうえで、オンラインモニタリングの運用の留意点として次の5つを提示した。
(1)文書で利用者の同意を得る必要がある。その際は利用者に対し、オンラインモニタリングのメリット・デメリットを含め、具体的な実施方法(居宅訪問が2ヵ月に1回であることなど)を懇切丁寧に説明することが重要。
利用者の認知機能が低下している場合など、同意を得ることが困難と考えられる利用者については、オンラインモニタリングの対象者として想定されない。
(2)利用者の心身の状況が安定していることを確認するにあたっては、主治医らによる医学的観点の意見や以下に例示する事項も踏まえ、サービス担当者会議などで総合的に判断することが必要。
◯ 介護者の状況に変化が無いこと。
◯ 住環境に変化が無いこと(住宅改修の手すり設置やトイレ改修などを含む)。
◯ サービス(保険外サービスを含む)の利用状況に変更が無いこと。
(3)オンラインモニタリングを行うにあたっては、利用者がテレビ電話などを介して、対面の場合と同程度の応対ができる必要がある。テレビ電話などの操作については、必ずしも利用者自身で行う必要はなく、家族など介助者が行うことも差し支えない。
(4)オンラインモニタリングの場合、画面越しで確認できない利用者の健康状態や住環境などの情報について、サービス事業所の担当者からの情報提供で補完する必要がある。
この点について、サービス事業所の担当者の同意を得るとともに、サービス事業所の担当者の過度な負担とならないよう、情報収集を依頼する項目や情報量について留意が必要。なお、サービス事業所の担当者に情報収集を依頼するにあたっては、別途通知する「情報連携シート」を参考にする。
(5)主治医、担当者、その他の関係者の合意を得る方法としては、サービス担当者会議のほか、利用者の通院や訪問診療の立会時を使った主治医への意見照会、サービス事業所との日頃の連絡調整を通じた意見照会も想定される。いずれの場合も、合意に至るまでの過程を記録しておくことが必要。
厚労省は来年度の介護報酬改定で、ケアマネの業務負担の軽減などにつなげる観点から、オンラインモニタリングの実施を初めて容認する。居宅介護支援の運営基準を見直し、実施する際の要件として、
(1)利用者の同意を得ること。
(2)サービス担当者会議などで主治医、サービス事業所から以下の合意が得られていること。
◯ 主治医の所見も踏まえ、頻繁なケアプランの変更が想定されないなど、利用者の状態が安定していること。
◯ 家族らのサポートがある場合も含め、利用者がテレビ電話などを介して意思表示できること。
◯ テレビ電話などを活用したモニタリングでは収集できない情報について、他のサービス事業所との連携により収集すること。
(3)居宅介護支援は少なくとも2ヵ月に1回、介護予防支援は少なくとも6ヵ月に1回は利用者の居宅を訪問すること。
などを規定した。今後、今回の解釈通知に続いて改定の細部を解説するQ&Aも公表する予定。