4月施行の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられることを踏まえ、全国介護事業者連盟は29日、経営が厳しくなる事業所への支援策の拡充を訴える要望書を厚生労働省へ提出した。【Joint編集部】
ホームヘルパーの確保・定着、必要な研修の受講などを後押しする措置を強化して欲しいと要請。生産性向上に向けたICTの導入、事業所の協働化・大規模化への手厚い支援、相談援助などの重点拡充も求めた。
あわせて、新たな処遇改善加算の上位区分を取りやすくする申請様式の簡素化、相談援助の充実なども注文。特定事業所加算や認知症専門ケア加算などの取得支援、算定要件の緩和も提言した。
介事連は訪問介護の基本報酬の引き下げについて、とりわけ地方の事業所、地域の高齢者にサービスを提供する事業所の存続が「一層困難になる」と指摘。国が処遇改善加算を拡充したことを評価しつつ、「職場環境の改善も不可欠。事業者は環境整備への更なる負担を求められる」と異議を唱えた。
厚労省への働きかけを終えた介事連の斉藤正行理事長は、「支援策を前向きに検討したいという姿勢で聞いてもらえた。現場の声は国に届いている」と話した。