厚労省、介護報酬改定の影響検証へ来年度に調査 効率的なサービスのあり方も検討
厚生労働省は来年度、4月と6月に施行する介護報酬改定の効果・影響を検証する目的で複数の調査を実施する。【Joint編集部】
28日の専門家会議で、少なくとも4つの調査を実施するプランを説明。結果を今後の施策の検討に活かしたい考えを示した。
今回、厚労省が実施を提案したのは次の4つだ。
(1)高齢者施設と医療機関の連携体制などに関する調査研究事業
介護施設に後方支援の協力医療機関の選定を義務付けた(経過措置3年)ことを踏まえ、体制構築の進捗や課題、連携の実態などを把握する。協力医療機関の選定を努力義務とした特定施設やグループホームなども対象とする。
(2)福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業
今年4月以降の貸与価格や事業所の事務負担、利用者への影響などの実態を把握し、次の貸与価格の上限設定に向けた検討の基礎資料を整備する。
(3)リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の一体的取り組みに関する調査研究事業
リハ・機能訓練、栄養、口腔の個々の取り組み、一体的な取り組みの推進を図るこれまでの施策について、現場の課題や加算の算定状況、多職種連携のあり方、利用者への効果などを把握する。今年度の改定で新たな措置を講じた介護施設、特定施設、通所リハなどを対象とする。
(4)地域の実情や事業所の規模などを踏まえた効果的かつ効率的なサービスのあり方に関する調査研究事業
より効果的・効率的なサービス提供体制の構築を図る施策の立案に向けて、法人・事業所間の連携や人材の有効活用なども含め、現場の実態や課題を総合的に調査する。例えば訪問介護と通所介護など、複数のサービスを組み合わせた新たな仕組みのあり方も検討する。
厚労省は今後更に調査設計の議論を深め、来月に開催する審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)へ改めて方針を報告する。それから準備を進め、今年9月頃に調査を実施する予定。来年3月頃に結果を公表する。
今回提案された調査内容はいずれも、介護報酬改定に向けて昨年末に審議会がまとめた報告書で課題として指摘されていたもの。厚労省は2025年度以降も、介護施設の協力医療機関の選定やLIFEの有効活用、福祉用具の貸与と販売の選択制などについて、現場の実態を把握する調査を実施していく計画だ。