東京都は来年度から、居宅介護支援事業所の事務職員の雇用を後押しする取り組みを新たに始める。【Joint編集部】
事業所ごとに1人分、事務職員の雇用経費の4分の3を補助する。期待される役割が増えているケアマネジャーの業務負担の軽減を目指す。国の施策と連動させ、事業所の経営の安定化やケアマネの賃上げにつなげる狙いもある。
人材不足が深刻化していることを踏まえ、東京都はケアマネを支援する独自策の拡充に乗り出す。既に月1万円から2万円の賃上げ、更新研修の受講料の軽減などを打ち出しており、これが第3弾の新メニューとなる。
1月26日に発表した来年度の予算案に、こうした新規事業の経費を盛り込んだ。都民ファーストの会の都議らが具体化を働きかけていた経緯がある。
厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、事務職員の配置などを要件に1人のケアマネが担当できるケースの数を増やす方針。東京都はこれを念頭に予算案を編成した。事務職員の人件費を補助すれば、居宅介護支援事業所の収入増やケアマネの処遇改善も進むとみている。
関係者によると現在、新たに事務職員を雇う事業所と既に雇っている事業所の両方を補助対象とする方向で調整が進んでいる。施策の実施期間はさしあたり、2027年度の介護報酬改定までの3年間とされた。東京都はそれ以降について、国が同様の施策を全国で講じるべきと指摘している。