厚生労働省は27日、一部の介護老人保健施設などで多床室の利用者の負担を2025年8月から引き上げる方針を示した。室料として月8千円を新たに徴収し始める。【Joint編集部】
全国の老健のうち、在宅復帰機能の「強化型」、「加算型」などに該当しない「その他型」、「療養型」が対象。このほか、「II型」の介護医療院も対象となる。
ただ低所得者は例外。光熱費や食費の補助(補足給付)を受けている利用者について、厚労省は負担が増えないようにするとした。老健では「その他型」、「療養型」の多床室にいる利用者のうち、およそ4000人が負担増の対象になると見込んでいる。
介護報酬などを議論する社会保障審議会・介護給付費分科会(持ち回り開催)で、こうした方針を明らかにした。
在宅で暮らす高齢者との負担の公平性を確保したり、制度の持続可能性を高めたりする狙いがある。実施時期を2025年8月としたことは、「十分な周知期間を確保するため」と説明した。
多床室の室料負担のルールは施設類型によって違う。「終の棲家」として生活の場になっている特養では既に、一定以上の所得がある利用者らが2015年度から徴収されている。一方、老健などは対象から除外されてきた経緯がある。