22日に閣議決定された政府の来年度予算案に、厚生労働省は介護保険の給付費を賄う国庫負担分として3兆3381億円を計上(*)した。【Joint編集部】
* 介護給付費の国庫負担、調整交付金、第2号保険料の国庫負担(補助)などをあわせた額。地域支援事業分は含まない。
来年度の介護保険の給付費が、今年度より多い13兆1759億円にのぼると想定。これに利用者負担もあわせた総費用は、14兆2396億円に膨らむと見込んだ。金額はいずれも予算ベース。実績は変動する可能性がある。
国は介護保険の給付費の概ね25%を支出している。来年度の国庫負担分は、今年度より830億円増加。高齢化に伴う介護ニーズの高まりが最大の要因だ。介護報酬を全体で1.59%引き上げることも影響する。
今後、高齢化の進展とともに給付費は更に膨張していく見通し。年々重くなっていく税や保険料などの負担を、社会全体でどう分かち合っていくかが最大の課題だ。
政府は以前から、利用者負担の引き上げや給付範囲の見直しといった費用の抑制策を検討してきているが、高齢者や業界の強い抵抗もあって先送りを続けている。制度改正を議論する国の審議会では、「現役世代の負担増はもう限界にきている」との声もあがっている。