2023年11月29日
【介護報酬改定】訪問介護・看護やショート、口腔管理の連携に加算 ケアマネへの情報提供など評価
厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、在宅の高齢者の口腔状態を改善する取り組みを現場に促すインセンティブを導入する。【Joint編集部】
訪問介護、訪問看護、訪問リハ、定期巡回・随時対応、ショートステイなどを対象に加算を新設する。歯科医療機関と連携して利用者ごとに口腔アセスメントを実施し、その情報をケアマネジャーや歯科医療機関へ提供する事業所を評価する。
27日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で提案。今後、要件などの詳細を詰めていくとした。
在宅の高齢者は、本来なら歯科治療が必要でも実際には行われていないケースが少なくない。国の調査結果によると、利用者の口腔状態を歯科医療機関へ伝えているケアマネは約3割にとどまる。「伝えるべき情報を得られていない」との答えが多いと報告されている。
厚労省はこうした課題を解消し、高齢者の自立支援・重度化防止につなげたい考え。審議会では、新たな加算の要件となる口腔アセスメントをどう実施するかについて、簡易な指標を用いて介護職員も担えるようにすると説明した。
会合では日本歯科医師会の野村圭介常務理事が、「ぜひ進めるべき。アセスメントの形は多くの方にとって分かりやすく、つなぎやすいものにして頂きたい」と要請。日本看護協会の田母神裕美常任理事は、「利用者に負担がかからないよう、アセスメントは短時間で的確に確認することが求められる。介護職員が担う際は医療専門職との連携も重要。その辺りも具体的に検討して欲しい」と求めた。