来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で6日、厚生労働省は訪問看護を俎上に載せた。【Joint編集部】
理学療法士などリハビリテーション専門職によるサービスの評価を論点として提示。訪問看護の本来の役割に沿ったサービスが提供されるよう、事業所の提供体制や実績などを踏まえた「評価の差別化」を行うことを提案した。関係者は会合後、「どう差別化するかはこれから検討していく」と明言を避けた。
会合では健康保険組合連合会の伊藤悦郎常務理事が、2021年度の改定で国がリハ職による訪問看護の報酬を引き下げたことを念頭に、「前回の改定と同様の方向で検討して頂きたい」と要請。日本医師会の江澤和彦常任理事は、「訪問看護ステーションのあるべき姿として、看護職員が医療ニーズの高い方を在宅で支えていくことが重要。例えば、看護職員による訪問の回数の割合を要件とした評価などを検討してはどうか」と提言した。
一方で日本看護協会の田母神裕美常任理事は、「一部の事業所の非常に偏ったサービスの提供など課題が指摘されている」としつつ、「訪問リハがどのように提供されているかといった地域全体をみる視点、事業所への大きな影響がないようにする視点も踏まえた慎重な対応にもご留意頂きたい」と求めた。