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2023年11月7日

【介護報酬改定】居宅介護支援にも同一建物減算を導入 厚労省提案 訪問介護の減算拡充も

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《 社保審・介護給付費分科会|11月6日 》

厚生労働省は来年度の介護報酬改定に向けて、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなどで暮らす利用者へのサービスの適正化を検討していく。6日に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で具体策を論点として取り上げた。【Joint編集部】

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訪問介護の同一建物減算の拡充を提案。居宅介護支援に同一建物減算を新たに導入する案も示した


膨張を続ける介護費の抑制につなげる狙い。集合住宅だけでなく地域の利用者にもサービスを提供してもらいたい、という思惑もある。


厚労省は年内にも大枠の方針を固める。審議会の委員からは反対意見も出ており、国がどこまで踏み込んだ手を打つかが焦点だ。

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現行の訪問介護の同一建物減算は、事業所と同じ敷地、または隣接する敷地の建物に住む利用者などに適用される。こうした併設・隣接でなくても、20人以上の利用者が1つの建物にいるケースなども対象となる。減算幅は10%〜15%/回。


厚労省は審議会で、現場の実態を把握するための調査の結果を紹介。事業所に併設されたサ高住などで暮らす利用者はそうでない利用者と比べて、


◯ ケアマネジャーの労働投入時間が短い


◯ 訪問介護のサービス回数が多い


◯ ヘルパーの移動時間・距離が短い


などの傾向がみられたと報告した。


そのうえで、来年度の改定で次のような施策を講じてはどうかとした。これらは財務省の審議会なども、介護費の抑制に向けて実現を働きかけていた経緯がある

《 居宅介護支援 》


利用者が事業所と併設・隣接の集合住宅に入居している場合や、複数の利用者が同一の建物に入居している場合などは、ケアマネジャーの業務実態を踏まえた評価を検討する


《 訪問介護 》


同一の建物で暮らす利用者が一定割合以上の場合などに、段階的に報酬を適正化する仕組みを更に検討する

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◆「努力の否定になりかねない」


会合では委員から慎重論が相次いだ。


民間介護事業推進委員会の稲葉雅之代表委員は、「一部の不適切な事例をみて、全ての事業者に一律に減算をかけるのは慎重であるべき」と主張。「経営の大規模化という国の方向性も踏まえ、経営努力によってスケールメリットを出して生産性を向上させると、むしろ減算が強化されてしまう」と不満を述べた。


日本介護支援専門員協会の濵田和則副会長は、「生産性向上の結果として介護報酬が減算されると、事業者や職員の努力を否定することになって意欲が阻害される」と指摘。日本慢性期医療協会の田中志子常任理事は、「スマートシティ化、人材不足の中での効率的なサービスの提供といった視点を踏まえ、集合住宅だから単純に報酬を下げるということが本当に正しいのか、十分に考える必要がある」と再考を促した。


一方、健康保険組合連合会の伊藤悦郎常務理事は、「財源が限られる中では報酬にメリハリをつけるべき。効率化が図れる集合住宅では減算を推進すべき」と求めた。


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