来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会（社会保障審議会・介護給付費分科会）で26日、厚生労働省はショートステイの長期利用を俎上に載せた。【Joint編集部】

実態として施設への入所と同等の利用形態になっていることを踏まえ、長期利用の報酬を特養などの報酬と均衡させる形で適正化を図ることを提案。今後、サービスの本来の目的に応じた利用を促していく観点から、具体的な検討を進める意向を示した。

ショートステイの報酬は、利用者が連続30日を超えてサービスを使い続けると算定できない。自費での宿泊を挟んで利用を継続していく場合は、30日を超えた日から1日30単位の減算が適用される。こうした長期利用のケースは珍しくなく、この減算の算定率は事業所ベースで72.1%（昨年3月審査分）と高い。

会合では、全国市長会を代表する立場で参加した大阪府豊中市の担当者（市長に代わり参考人出席）が、「報酬単位の均衡を図るだけでなく、サービスの位置付けなども適正化の観点から検討する必要がある」と提言。全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、「ショートステイの長期利用を推奨するような形にならないように」と念を押した。