厚生労働省は23日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、複数の地域密着型サービスを取り上げた。【Joint編集部】
小規模多機能、看護小規模多機能、定期巡回・随時対応サービスの「総合マネジメント体制強化加算」の包括化を提案。算定率がいずれも9割超に至っていることから、基本報酬に組み込んではどうかとした。
今後、具体的な検討を更に深めていく構えだ。年末には大枠の方針を決定する。
「総合マネジメント体制強化加算」は関係機関との調整や地域住民との交流などを促すインセンティブで、1000単位/月。要件はサービスによって異なるが、例えば小多機の場合、
◯ 利用者の心身の状況や家族を取り巻く環境の変化を踏まえ、介護職員や看護職員などの多職種協働で「個別サービス計画」を随時適切に見直していること
◯ 利用者の地域での多様な活動が確保されるよう、日常的に地域住民との交流を図り、利用者の状態に応じて地域の行事・活動に積極的に参加していること
などが求められる。区分支給限度基準額の計算対象には含まれない。
会合で日本経団連の酒向里枝経済政策本部長は、「算定率が9割超ということは、1割弱の事業所は取り組んでいないということ。今の単位数を単純に上乗せした包括化は避け、一定のメリハリを付けるべき」と注文。日本看護協会の田母神裕美常任理事は、「区分支給限度基準額の扱いをどうするのか。利用者に不利益が生じないようにすべき。事業所の経営にも極めて大きな影響を与える話で、しっかりとしたシミュレーションも含めて検討して欲しい」と要請した。
厚労省の担当者は、「区分支給限度基準額の扱いをどうするかは、改めて十分に検討したい」と応じた。