日本介護支援専門員協会の今年の全国大会が、21日から22日にかけて栃木県宇都宮市で開催された。【Joint編集部】
柴口里則会長は全国大会に先駆けて行った21日の記者会見で、来年度の介護報酬改定に言及。全国的に顕在化している人材不足の更なる深刻化を防ぐため、居宅介護支援の基本報酬の引き上げや逓減制の一層の緩和、ケアマネジャーの処遇改善などを強く求めていく方針を改めて表明した。
現在、日本介護支援専門員協会は関係者の理解を得る活動を積極的に展開している。今月10日には、介護報酬改定に向けた要望書を厚生労働省へ提出。社会がケアマネに期待する役割が広がっている一方で、「介護支援専門員、主任介護支援専門員の人材確保は処遇の問題などで困難になっている」と訴えた。これから年末にかけて、政府・与党などへの働きかけを一段と強化していく考えだ。
柴口会長は21日の会見で、「以前からまずは介護支援専門員の年収を500万円にすべきと言ってきたが、その思いは全く変わらない。今は全産業平均とも少なからぬ開きがある。介護支援専門員の質が低いとの声もあるが、少ない報酬で質、質と言うのは少しおかしいのではないか」と問題を提起。全国大会の開会式の壇上では、「職能団体としてきちっと意見を述べて、介護支援専門員の日々の幅広い支援に見合った対価へ改定されるよう、介護支援専門員の地位の向上につながるよう論戦していきたい」と意欲をみせた。
今回の全国大会のテーマは、「のびる技・むすぶ想い・ひらく明日 〜支え合うことの価値を問い直そう〜」だ。大会長を務めたとちぎケアマネジャー協会の大山典昭会長は開会式で、「20歳を過ぎた介護保険。これから私たち、介護支援専門員が力を発揮していかなければならない。この大会を通じて、人が人を支えること、支え合うことの価値という福祉の原点に改めて立ち返り、専門職としての我々のあり方を模索していきたい」と語った。