来年度の障害福祉サービス報酬改定に向けた協議を重ねている有識者会議で18日、こども家庭庁は児童発達支援や放課後等デイサービスを俎上に載せた。【Joint編集部】
児童発達支援や放課後等デイサービスは、本人への5領域(*)を全て含む総合的な支援を行って包括的かつ丁寧に障害児の発達段階をみていくことが重要 − 。
* 本人への5領域=「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」を指す
こうした考え方を基本に据えたサービスの提供を、今後は事業運営のルールとして求めていくことを提案。全ての事業所に対し、本人への5領域とのつながりが明確な支援内容を示すプログラムを作り、それを広く公表することも求めてはどうかとした。
こども家庭庁は今後、これらを運営基準に書き込んで義務化する案も含めて具体化の検討を進める方針。支援内容プログラムの策定・公表の方法など詳細は、報酬改定に向けて通知などで示していく計画だ。会合で強い反対意見などは出ていない。
本人への5領域をカバーした総合的な支援の展開、その内容の見える化などにつなげる狙い。例えばピアノや絵画のみを提供する支援は、障害児のウェルビーイングを向上させるといった観点から一定の意味があるものの、公費で負担するサービスとしては相応しくないという認識がある。厚生労働省が今年3月にまとめた報告書には、次のような趣旨の提言が盛り込まれていた経緯がある。
「サービス対象者は生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期。全ての障害児に総合的な支援が提供されることが必要であり、全ての児童発達支援、放課後等デイサービスでこれを提供することを基本とすべき」