来年度の障害福祉サービス報酬改定に向けた協議を重ねている有識者会議の11日の会合 − 。就労系サービスを俎上に載せた厚生労働省は、複数の職種に対して新たに研修の受講を義務付けていくことを提案した。【Joint編集部】
対象となるのは、就労移行支援の就労支援員と就労定着支援の就労定着支援員。就労移行支援の職業指導員、就労継続支援A型・B型の支援員らは含まれない。
受講の義務化が提案されたのは、雇用と福祉の分野横断的な知識・スキルを身に付ける「基礎的研修」。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が2025年度から開始するものだ。
厚労省は義務化にあたって経過措置を設けてはどうかと説明。2027年度までの間は「基礎的研修」を受講していなくても、運営基準を満たしている扱いとする案を示した。有識者から反対意見などが出なかったため、こうした方向で細部の検討を進めていく構えをみせた。
「基礎的研修」はトータル900分。障害者と企業の双方に必要な支援ができる人材の育成・確保などを目指す内容で、既存の「基礎研修(同900分)」に替わるものだ。
厚労省の有識者会議が2021年6月にまとめた報告書で、「就労移行支援の就労支援員と就労定着支援の就労定着支援員は受講を必須とすべき」と提言していた経緯がある。またこの報告書には、「就労継続支援A型・B型の支援員を含むそれ以外の全ての支援員について、将来的に受講必須を検討する」とも明記されている。