厚生労働省は来年度の障害福祉サービス報酬改定に向けて、重度障害者らを緊急で受け入れるショートステイの機能を強化する方策を検討している。【Joint編集部】
例えば、基幹相談支援センターや医療機関、行政、自立支援協議会などと平時から情報連携をしている短期入所の事業所が、医療的ケア児者らを緊急で受け入れたケースの評価を想定。あわせて、既存の「緊急短期入所受入加算(*)」の単位数を引き上げることも検討していく。
* 緊急短期入所受入加算=介護者が体調を悪くしたなどやむを得ない理由により、居宅で介護を受けられなくなる障害者らが対象。前々日、前日、当日に連絡があった場合に、受け入れ初日から原則7日間を限度に算定できる。福祉型の短期入所で180単位/日。
先月末に開催した有識者会議で、こうした議論の方向性を説明した。重度障害者ら本人やその家族の地域生活を支える体制の充実につなげる狙いがある。
厚労省の調査結果によると、ショートステイが重度障害者らを緊急で受け入れる際の課題としては、「利用者の状態確認が難しく、十分な体制がとれない」との回答が多い。既存の「緊急短期入所受入加算」をめぐっては、必要な人件費増をカバーするための単位数の改善を求める声があがっていた経緯がある。
厚労省はこのほかショートステイについて、緊急時以外も医療的ケア児者の受け入れ体制の強化を図る具体策を検討していく方針を示した。