政府は7日、今後の社会保障制度の改革を話し合う「全世代型社会保障構築本部」の会合を首相官邸で開催した。【Joint編集部】
介護保険制度の見直しなど重点的に議論していく3テーマを決定。それらを深掘りしていく検討チームを個々に設けることも決めた。社会保障制度を将来にわたって持続可能なものとしていくため、ニーズに応えられるサービスの提供体制をどう整備していくか、増大する負担をどう分かち合っていくかが最大のテーマとなる。
「負担能力に応じて、全ての世代で、増加する医療費を公平に支え合う仕組みが必要」。
岸田文雄首相はこう説明。「国民目線の医療・介護提供体制のあり方も含め、医療・介護制度の改革を前に進める検討をお願いしたい」と述べ、具体的な議論の進展を促した。
政府は今後、「子ども・子育て支援の充実」「医療・介護制度の改革」「働き方に中立的な社会保障制度の構築」の3テーマを中心として年末に向けて議論を進めていく。検討チームごとに主査を任命。「医療・介護制度の改革」については、東京大学公共政策大学院の増田寛也客員教授が選ばれた。
当面の大きな焦点は、介護の利用者負担を引き上げることの是非だ。2割負担の対象を拡げるよう求める声がある一方で、介護現場の関係者からは反発の声があがっている。与党内にも慎重論があり、年末の政府の最終判断までは紆余曲折がありそうだ。