【実践】介護職員との面談で気をつけるべきポイントまとめ 相手の心の扉を開いて良い職場を作ろう!
「日々の業務に追われ、職員の状況や悩み、相談を聞く時間がなおざりになってしまいます。どうしたら良いでしょうか?」。そんなご相談も介護事業者、管理者の方々からよく頂きます。【伊藤亜記】
面談というきちんとした形を取れなくても、日々のマメな声掛けで職員の状況や様子を観察することは可能です。ただ、もし深刻な悩みや相談ごとを聞く場合は、以下の8点に配慮して面談をしてみて下さい。
(1)安心して話せる場所と環境の配慮:内容によって人の目が気になる場合、外のカフェなどの方が良い場合もあります。
(2)相手がどういう状態であるか正しく把握する:疲弊しているなら安心するような言葉をかけ、相手の話を聞き、気持ちを軽くする目的のカウンセリング対応をする。逆に「充実」しているようなら、コーチングで目標を設定するなど対応を変える必要があります。
(3)面談時間は1時間以内を目安に行う。
(4)共感性を持って聞く。
(5)相手の話をさえぎらない。
(6)評価しない。
(7)同情しない。
(8)結論を急がない。「きつい」「しんどい」など会話の中で形容詞が出た場合、「どれくらい?」と質問してレベルや状態を把握する。
もちろん、解決策がすぐに見い出せない場合もあります。そんな時は、「今日はお話が聞けて良かったです。少し気持ちの余裕が持てる業務内容に改善するので、様子を見て頂けませんか?」などと声をかけましょう。
あわせて、次回の面談を1週間ほど後くらいに設定し、気持ちの変化や動きなどの確認の意味も含め、改めて職員のお話を聞くようにしましょう。
また、管理者が必要に応じて行う面談を「教育的指導」の場と思っている人がおられますが、「職員からの話を聞く」場と考えた方がより効果的です。以下、その際のポイントとなります。
◯ 面談の機会は“話合い”の場であり、“職員の話を聞く”場であり、管理者の価値観を伝える場ではない。
◯ 職員にとっては管理者に直接話ができる貴重な時間である。
◯ 管理者が言いたいこと以上に、職員には伝えたい・聞いてほしいことが沢山あると認識する。
◯ 職員の話をきちんと聞いてあげることで、相手が納得(説得)しやすい心理状況になることを理解しておく。
◯ 自分の考えや意見は必要ですが、決めつけたり言い負かしたりしてはいけない。
◯ 職員の話は遮らず熱心に傾聴する。原則として同意の相槌(そうですね)を打つことなどで、相手が話しやすくなるようにする。
◯ 大事な重要な判断は、安易な妥協をしたりしてその場で結論を出さないようにする。
◯ 面談の目的は納得してもらうことなので、納得のうえでお互いの合意を得る努力をする。
面談は、職員の心の扉を開け、普段気づかない部分を知る、職員の気づきや提案も聞く良い機会です。できるだけ話しやすい環境を作るように心がけましょう。きっと、職員との良好な関係の構築や離職の防止、職場の雰囲気の改善などにつながるはずです。