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2022年7月26日

【介護保険部会】人員配置基準の緩和に慎重論相次ぐ 介護現場の業務効率化の推進では一致

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社保審・介護保険部会 25日

次の2024年度の介護保険制度改正に向けた協議を行う審議会(社会保障審議会・介護保険部会)が26日に開かれた。今回のテーマは「人材の確保、介護現場の生産性向上」だ。【Joint編集部】

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メインのフリーディスカッションでは、センサーやICTといった新たなテクノロジーのフル活用や介護助手の配置、これらに伴うオペレーションの見直しなど、業務の効率化や職員の負担軽減を図る施策に引き続き注力していく方針が確認された。ただ現場の関係者からは、それを直ちに人員配置基準の緩和に結びつけることへの慎重論が相次いだ。

また、多くの委員が更なる処遇改善の具体化を進めるべきと主張した。政府は今年10月から介護報酬に「ベースアップ加算」を新設するが、人手不足の現下の深刻さと今後の厳しい見通しを念頭に、追加的な賃上げの必要性を訴える声が続出した形だ。

「介護現場の生産性向上を後押しすることに異論は全く無い。ただ目的は、職員の負担軽減や不安解消、労働環境の改善、サービスの質の向上であるべき。介護施設は工場ではなく、介護を必要とされる方の住まい」

UAゼンセン日本介護クラフトユニオンの染川朗会長はこうクギを刺した。

日本看護協会の齋藤訓子副会長は、「テクノロジーを使って利用者のケアの手間が省けるかというと、決してそうでもない。人員配置基準の緩和は極めて慎重に検討しなければいけない」と指摘。日本医師会の江澤和彦常任理事は、「効率化の名のもと生活を作業化してはならない。これは介護の根幹に関わること」と念を押した。

一方の更なる処遇改善については、連合の小林司生活福祉局長が、「少なくとも全産業平均の水準に達するまで継続すべき」と要請。日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長は、「介護支援専門員や認定調査員などの確保も困難な状況がある。対象職種の拡大を検討して欲しい」と求めた。

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