近年、介護保険の居宅介護支援は事業所数の緩やかな減少が続いてきていたが、このトレンドは足元でも変わっていない。厚生労働省が28日に公表した最新の統計で明らかになった。【Joint編集部】
今年4月審査分の事業所数は全国で3万7197ヵ所。前年同月より1.7%、634ヵ所少なくなった。減少はこれで5年連続。ピークだった2018年からの減少幅は7.2%となっている。
進んでいるのは中規模化・大規模化だ。事業所数が減っている一方で、高齢化に伴って利用者数や給付費は伸び続けている。
介護支援専門員の複数人の配置を評価する「特定事業所加算」など、国の施策も影響を与えているとみられる。業界関係者の間では、年齢を理由に事業をたたんで引退していくケアマネジャーがいる、との見方も多い。
居宅介護支援をめぐっては現在、全国各地でケアマネ不足が顕在化して優勝劣敗の人材獲得競争も激化している。介護ニーズが更に拡大していく今後、質の高いサービスを切れ目なく提供できる体制を作っていくことが大きな課題。国が業務の効率化、生産性の向上と一定の大規模化を促していることからも、事業所数の減少は今後も続く可能性がある。