厚生労働省は24日、来年4月の介護報酬改定に向けて協議を重ねている審議会で訪問介護を取りあげた。【Joint編集部】
ホームヘルパーの人材難が更に加速し、昨年度の有効求人倍率が過去最高の15.53倍にのぼったと報告。施設の介護職員などと比べても際立って厳しい現状を明らかにし、「人手不足が大きな課題」との認識を示した。
ヘルパーとして訪問介護で働くためには、130時間の「介護職員初任者研修」などの修了が必要。こうした負担や責任の重さに対し、給与や労働環境などが見合っていないとの声が多い。利用者の住まいへ1人で行かなければならない、という働き方を敬遠する人も少なくない。
厚労省の調査結果によると、2021年10月時点でヘルパーの平均年齢は54.4歳。他の介護職員やケアマネジャーなど関係職種の中で最も高い。
また、ヘルパーの4人に1人、24.4%が65歳以上の高齢者。70歳以上も12.2%と1割を超えている。今後、引退するヘルパーの増加で人材不足が一段と加速していく懸念が強い。
注)この記事では配信当初、「75歳以上も12.2%」と記載していましたが、正しくは「70歳以上も12.2%」でした。お詫びして訂正いたします。この記事は訂正後の記事です。
この日の審議会では、多くの委員が来年4月の改定でできる限りの施策を講じるべきと主張。介護報酬の引き上げ、処遇の改善、負担の軽減などを求める声が相次いだ。